図書館1階部分に4チャンネルのスピーカーと、明るさを自在にコントロールできる30個のLED照明装置を設置し、空間全体にほとんど気づかないような音量や可聴域ぎりぎりの周波数の音の断片、遠方からの残響音、そして微かな光の点滅を構成することで、夕闇と静寂に包まれた閉館後の図書館を彩る。観客は、図書館全体を見渡す位置にある2階の渡り廊下からこの作品を鑑賞し、環境音の中に潜在するアンサンブルに感覚を集中させていく。
広大な空間に沈潜する微細な聴覚体験
YCAM内の図書館全体を使用したインスタレーション。
Filament
YCAM内の図書館全体を使用したインスタレーション。
図書館1階部分に4チャンネルのスピーカーと、明るさを自在にコントロールできる30個のLED照明装置を設置し、空間全体にほとんど気づかないような音量や可聴域ぎりぎりの周波数の音の断片、遠方からの残響音、そして微かな光の点滅を構成することで、夕闇と静寂に包まれた閉館後の図書館を彩る。観客は、図書館全体を見渡す位置にある2階の渡り廊下からこの作品を鑑賞し、環境音の中に潜在するアンサンブルに感覚を集中させていく。
電子音ユニット
1997年、大友良英とSachiko Mによって結成。ポスト・エレクトロニクス・ミュージックのあくなき実験場として、聴取と発音行為の徹底的な分析と解体の末に生まれたユニット。Sachiko Mによる独特な作曲方法を軸に、微弱音から轟音にいたるまで、また可聴範囲の限界を超えつつ、従来の「作曲」や「即興」によって作られた音楽とは根本的に異なる音響体験をもたらす。これまでに世界十数カ国で演奏、多くの物議をかもしている。
ディレクション/サウンド・コンポジション:Filament[大友良英+Sachiko M]
サウンドプログラミング:伊藤隆之(YCAM)
デバイス制作:三原聡一郎(YCAM)
テクニカルサポート:西村悦子(YCAM)、岩田拓朗(YCAM)、張永達