三原聡一郎 | みはら・そういちろう

世界に対して開かれたシステムを提示し、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、気流、土、水そして電子など、物質や現象の「芸術」への読みかえを試みている。2011年の東日本大震災を機に「空白のプロジェクト」を開始。2013年より滞在制作にて、北極圏から熱帯雨林、軍事境界からバイオアートラボまで、芸術の中心から極限環境に至るまで、これまでに計9カ国18箇所を渡る。近年、プロセスを共有する装置を通じたパブリックスペース参加やワークショップ開発なども行う。パンデミックを通じた空気への意識から、これまでの制作を「空気の芸術」として、振動、粒子、呼吸という空気の3カテゴリーにアーカイブしてゆく試論をレシピの形式に基づいて進めている。
主な個展に「三原聡一郎 レシピ:空気の芸術」(慶應義塾ミュージアムコモンズ, 2024)、「空白に満ちた世界」(クンストラウム・クロイツベルク・ベタニエン, 2013/京都芸術センター, 2016)「土をつくる」(公開中 compost.mhrs.jp, 2021- )、グループ展に「発酵文化芸術祭」(金沢市他、2024)「エナジーインルーラル」(国際芸術センター青森, 2023)、「恵比寿映像祭」(東京都写真美術館, 2020)、「サウンドアート—芸術の方法としての音」(ZKM、ドイツ、2012)など。展覧会キュレーションに「空白より感得する」(瑞雲庵, 2018)。共著に「触楽入門」(朝日出版社、2016)。アルス・エレクトロニカ、トランスメディアーレ、文化庁メディア芸術祭、他で受賞。プリアルスエレクトロニカ2019審査員。NISSAN ART AWARD2020ファイナリスト。2022年より「3月11日に波に乗ろう」を共同主催。2024年 PinSプロジェクトで双葉郡富岡小中学校に滞在中。東日本大震災を機に浜通りに通い地元のサーフ、アート、クラフト、食や農のコミュニティとの横糸を通す様なプロジェクトを展開している。方法論の確立していない音響彫刻やメディアアート作品の保存修復にも近年携わっている。