公園の床面の内部や周囲には映像や照明、音響、ネットワークなどのメディアテクノロジーを駆使した仕掛けが多数埋め込まれており、それらは利用者に対して多様な可能性を提供するとともに、公園総体がひとつの「環境」として、利用者の創造性を刺激し、新しい「遊び」を誘発する。
斜めの大地
空間は、スケードボードのランプをサンプリングし、コラージュしたような、曲面と斜面のみで構成された床面が広がっています。平坦な場所はほとんどなく、遊びながら重力や速度を感じることができるようにデザインされている。
メディアテクノロジーが埋め込まれた公園
床面にはスピーカーとマイクが等間隔に埋め込まれており、独自に開発したソフトウェアで個別に制御可能となっている。スピーカーからは、予め構成された6種類のシーンにのっとって、サイン波やノイズなどの人工音のほか、鳥の泣き声や滝の音、市場の音などをサンプリングした音、マイクで録音した来場者の発する音などが再生される。また、埋め込まれたマイクを一定の間隔でノックすると、特定のシーンを呼び出す仕掛けも用意されている。
天井から吊り下げられたLED照明や巨大なバルーンライトも、時間帯によって色や明るさを変えながら、公園の雰囲気に絶えず変化を与える。
変わり続ける機能
会場では「子どもアイディアスケッチ」と呼ばれる用紙が配布されており、そこに利用者それぞれの「理想の公園」を文章/イラスト問わず自由に記入してもらい、会場の出口に設置された「子どもアイディアポスト」に投函してもらう。こうして集められた公園を巡るさまざまなアイディアは、「コロガル公園」に新たな機能を追加するためのイベント「子どもあそびばミーティング」での議論の原案として参照される。
こうして追加された機能のひとつに、公園内のすり鉢状のスペースに会期途中から描かれた「クリゴリー」というキャラクターのイラストがある。これは、参加者の提案したアイディアに描かれていたキャラクターが人気を呼び、実現に至った。