組み替え可能な公園
2012年に発表した「コロガル公園」をベースに、汎用性や可変性などの観点からアップデートするかたちで空間を構成しており、アップデートされた部分は建築ユニット「assistant(アシスタント)」と慶應義塾大学鳴川肇研究室が、それぞれYCAMと協働して制作している。assistantと制作したパート「slope(スロープ)」は、公園内をぐるりと取り囲むように設計された緩やかな坂が特徴的で、空間内の一部にある起伏の激しい斜めの構造物とは対象的に、子どもたちのコミュニーケーションが活性化されるようにデザインされている。
慶應義塾大学鳴川肇研究室と制作したパート「つながるブロック」は、16個のブロックからなる3次元曲面を持った構造物です。分割可能なデザインとなっているため、利用者から要望があれば、遊び場の空間自体も更新することが可能になっている。また会場の大きさに合わせて、自由に空間を構成することができるので、他の会場で展開することも視野に入れている。
変わり続ける機能
従来のコロガル公園シリーズと同様に、会期中には「子どもあそびばミーティング」を開催し、機能がアップデートされ続ける。代表的な例としては、「つながるブロック」を組み直し、プロジェクションマッピングを組み合わせることで、すごろくの盤を生み出すという機能が追加された。すごろくとして遊ぶことはもちろん、ボールを転がすなど新しい遊びが生まれる様子も見られた。
あそびつくるラボ
タイトルにもある通り、コロガル公園コモンズは「公園」という「コモンズ」を「みんなでつくる」という体験を通じて、自ら考え、他者とコミュニケーションを取りながら共創する力を育むことを目指している。そのため、子どもたちによる共創を加速させる場として新たに「公園つくるラボ」を会場付近に併設している。ラボには段ボールをはじめとする素材が用意されており、子どもたち自らが、他の利用者と議論を重ねながら新しい公園のアイデアを実験しながら具体化することができる。これにより、子どもたちが自らのアイディアを自らの手で実現する環境が整った。