「未来の公園」は、技術の進展による共同体と個人、人間とテクノロジーの境界の変化に無関係ではない。ネットワークに常時接続されたコンピューターを身体の一部のようにまとい、高度な人工知能が人と対話し、現実空間とバーチャルな情報空間が境目なく、人間の意識の中で接合される社会はすでに現実のものになりつつある。また、心拍、筋電、脳波などの生体情報のセンシングの発達、クローン技術や遺伝子操作などのバイオテクノロジーの急速な進化により、人間以外の、その他の動物、植物といった生命体も、工学技術と高度にシームレス化した状態で接合しようとしている。このようなテクノロジーとネットワーク化した社会の高度な融合と進展が、人と技術の境界を限りなく消失に近づける一方で、また逆に予想を超える新たな境界を生じさせることだろう。
ここでは、触感表現を多くのクリエイターに広げるためのデバイス「TECHTILEツールキット」と、身体の動きをコンピューターに取り込むためのオープンソースのモーションキャプチャーユニット「MOTIONER」を紹介。都市空間において公共と個人が接続する「公園」について、人と技術の境界が変質したとき、囲み込まれた場である「公園」の在り方や、また「公園」がいかに内在化される可能性を提示した。
これまでYCAMが開発したデバイスの中から、未来の公園の可能性を予見させるものを紹介する資料展示。