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「ミニマム インターフェース」

日付 :
2008-11-01(土)–2009-02-08(日)
時間 :
12:00〜19:00
休館日 :
火曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始(12.29-1.3)
場所 :
スタジオB / ホワイエ /
料金 :
無料

土日祝のみ 10:00から
【出品作家】 セルジ・ジョルダ、マルティン・カルテンブルネル、ギュンター・ガイガー、マルコス・アロンソ/久保田晃弘/LEADING EDGE DESIGN/ザカリー・リーバーマン、テオドア・ワトソン/ダーン・ローズガールデ/SHINCHIKA/クリス・サグリュ/高尾俊介

「ミニマム インターフェース」は、情報化社会特有の文化的多様性を表現するキーワードとして、「インターフェースの未来」をテーマに展開する展覧会です。
YCAMが開拓してきた独自の分野である<アート+身体表現>の視点を踏まえて、映像・写真・サウンド・建築オブジェ・プロダクトデザインなどの作品を選定しています。
YCAMの委嘱による新作や、日本初紹介となる新鋭アーティストなど、国内外のアーティスト8組による作品から、アートやデザインの中に組み込まれているインターフェースの多様性に注目します。 公式WEB SITE


メディアと身体を通じてつながるもの

一般的に、コンピュータとユーザーとのやり取りをつなぐ機器・装置をさす「インターフェース」。たとえば、コンピュータのキーボードは、ペンで書く行為を代理し、コンピュータと思考とをつなぎますが、別の見方をすれば、「書く」という行為を通じて、身体の新たな可能性を広げているともいえるでしょう。インターフェースとは、もともと「境界」や「界面」を意味しますが、インターフェースが存在することで、別の世界やシステムどうしが隣接してつながり合い、普段意識しない身体のイメージや新しい身体感が浮上します。本展では、メディアテクノロジーと身体性をつなぐユニークなインターフェースのアイデアを多数紹介し、視覚・聴覚・触覚を駆使しながら体験する機会を提供します。


インターフェースとしての身体空間/脱言語コミュニケーションの体験

「ミニマム インターフェース」とは、ユーザーインタラクションにおいて、言葉によるガイダンスを省き、身体感覚や知覚を直感的に開放していく表現としてインターフェースにアプローチすることを意図しています。また従来のアートには要素として存在しなかった「インターフェース」を、メディアアートや情報デザイン特有の第1要素(ミニマム)としてとらえ、情報芸術によって開かれる時間・空間の可能性を探ることをキーコンセプトとしています。展覧会では、国内外[アメリカ、オランダ、スペイン、日本]から参加する8組のアーティストが、アートやデザインの最新作をYCAMの館内各所に展示します。
さらに、会場で作品を鑑賞するためのナビゲーションにおいても、インターフェースの視点を取り入れ、独自のシステムを考案します。
(制作:LEADING EDGE DESIGN)


<出展作品>
セルジ・ジョルダ、マルティン・カルテンブルネル、ギュンター・ガイガー、マルコス・アロンソ
ポンペウ・ファーブラ大学 ミュージック・テクノロジー・グループ [スペイン]
「reacTable」 (リアクテーブル)
発光する円いテーブルの上で、そこに乗っている複数のオブジェを動かしたり、近づけたり、回転させることによって、音楽と映像を生み出し、操作することができる全く新しい電子楽器「reacTable(リアクテーブル)」。歌手ビョークのワールドツアー「Volta」での演奏をきっかけに、世界的に大きな注目を集めています。本展では、話題の電子楽器を、観客が実際に手に取って操作できるインスタレーションとして日本初公開します。複数のプレイヤーが同時に演奏でき、さらに映像によって音の状態や動きがナビゲートされるため、他の人のプレイやテーブル上の映像を見ながら、即座に演奏方法を直感的に学習、習得することができます。


「reacTable」 (2003-2006) photo: Xavier Sivecas



ダーン・ローズガールデ
[オランダ]
新作(YCAM委嘱作品)
 「Liquid Space 6.0」(リキッド・スペース 6.0)
有機的な形態をした、人間よりやや大きめのスケールを持つ建築的オブジェ。観客がこのオブジェに接近すると、センサーによって位置や距離が計測され、3本のアームをもつ形態が、水中の生物のように伸縮し、変形します。さらに、アーム内部のLEDがさまざまな色に発光し、オブジェから出力されるサウンドも変化します。観客は、この巨大なオブジェの中をくぐり抜けたり、近づいたりしながら、形と空間全体の変化を楽しむことができます。これまで、公共空間におけるインタラクションを含んだ建築的造形物を多数発表してきたダーン・ローズガールデの新作です。(日本初紹介)


"Liquid Space 6.0" by Daan Roosegaarde



久保田晃弘[日本]
新作(YCAM委嘱作品)
「純粋φ(ファイ)- Abstract Fluid Interface (仮)
大型スクリーンに投影される、映像絵画としてのインターフェイスです。画面手前に4つのデジタルカメラが設置され、階段状のフィールド内にいる観客のだれかを、常にサーチしています。普段はこのコンピュータの眼に入ってくる光の流れ(オプティカルフロー)によって、ランダムドットが流動していますが、カメラが人間の顔や身体を認識すると、その姿が一瞬、鏡のように画面の中に取り込まれます。「描くことは見ることだ」といわれますが、眼こそが環境の情報を利用するためのインターフェイスだといえるかもしれません。眼にはいったいどんな光が入り込んでいるのでしょう。あなたは、この大画面(光の流れ)の中に何を見いだすでしょうか。





LEADING EDGE DESIGN[日本]
「Floating Compass」 (フローティング・コンパス)
アメンボをモチーフに、超撥水技術を用いて、水面という界面(インターフェース)に「触れる」微細な感触を表現した作品。アメンボは、磁化させた小さな針を抱えるために水面に4つの脚で立つように、針を空中に支える構造を1枚の紙から作っています。脚部の複雑な形状は、表面張力を効率よく利用するためのかたちです。おだやかな水の上にのせると、地磁気に反応して、ゆっくりと回りはじめ、やがて針が北を向いたところで静かに止まります。展示では、コンピュータによってコントロールされる回転磁界を水の下に設置し、複数のアメンボをシンクロさせています。(TAKEO PAPER SHOW 2004向けに制作)


「Floating Compass」(2007) photo: Yukio Shimizu



ザカリー・リーバーマン、テオドア・ワトソン[アメリカ]
新作(YCAM委嘱作品)
「Card play(カード・プレイ)
マジシャン(手品師)にとって、チャンスや運命を、一瞬にして非現実なできごとに変えることのできるマジックツール「トランプ」。本作は、1組のトランプをインターフェースとし、観客がマジシャンになったかのように、様々な魔法を繰り広げることができるインスタレーションです。カードを裏返したままでは何も起こりませんが、いったんカードをめくると、音楽を奏でたり、物語が映像で展開したりします。現実には起こらないようなワイルドなできごとが、目の前で繰り広げられるかもしれません。話題のソフトウェア「オープンフレームワークス」の開発者であるメディアアーティストたちが手がけた新作です。





SHINCHIKA[日本]
新作(YCAM委嘱作品)
「H2Orz」(エイチツーオアゼット)
日本の80年代から現在に至るサブカルの多種多様なデザインやモードを抽出し、アニメーションに取り込むSHINCHIKA。イラストや3DCGを多用し、ユニークな映像作品を作り出しています。今回は、アニメの中にある3Dモデリングされたオブジェのデータを設計図に、立体的オブジェとしてインスタレーションを展示。ここでは映像そのものが、異なる手法と空間表現どうしをつなぎ、現実を描写するインターフェースとなっています。

*同時展示「JSCO」


「JSCO」(2008)



クリス・サグリュ[アメリカ]
「Delicate Boundaries」(デリケート・バウンダリーズ)
ニューヨークを拠点に活躍する若手アーティスト、クリス・サグリュを日本初紹介。コンピュータの映像には、うごめく小さな虫のようなが映っています。観客がその画面に触れると、虫たちが集まってきて、コンピュータ画面から這い出し、観客の手から皮膚をつたって腕にまで這い上がっていきます。巧みにプログラムされたセンシング技術によって、バーチャルな存在とリアルな身体との接点/境界にフォーカスした作品。


「Delicate Boundaries」(2007)



高尾俊介[日本]
改訂新作
「Depth of the Field - Processing Photography Blink Series」
(デプス・オブ・ザ・フィールド-プロセッシング・フォトグラフィ・ブリンク・シリーズ)
人は無意識にまぶたを開閉しながら、視覚情報を摂取します。この作品は、まぶたの開閉を感知する独自にプログラムされたセンサーにより、まぶたの動きをインターフェースとし、写真映像の連写ピッチを変化させるフォトインスタレーションです。写真映像を映し出す画面の大きさは、大小2種類。画面が与える情報量や対身体性によるアフォーダンスの変化が、写真の見え方・体験感にどのように影響するのかを比較することができます。


「Processing Photography」(2008)




主催:財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会
助成:文化庁
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]
技術協力:YCAM InterLab
グラフィックデザイン:good design company
ナビゲーションデザイン:LEADING EDGE DESIGN
プロジェクトキュレータ:阿部一直(YCAM)